らっきょう漬け

糠漬けで発酵食品の面白さを知り、他にも食材を探して見つけたのがコレ。
糠漬けは主に植物性乳酸菌の発酵を利用しているが、実はらっきょう漬けも同じである。


伝統的な製法では塩漬け→塩抜き→本漬け(甘酢漬け)となっているが、この塩漬けの段階で植物性乳酸菌の発酵を利用する。
らっきょうが持つエグ味の成分を分解して旨味に変えてあの独特な風味となるのだ。


幼少の頃、家では母が毎年らっきょうを漬けており、母の留守中に一人で半分近く食べてしまった逸話が残っている位元々らっきょう好きだったりする。(笑)

もくじ

超簡単で超美味しい乳酸らっきょう漬け

実は植物性乳酸菌の発酵食品を探していてらっきょう漬けを見つけた時、たまたま見たWebサイトがこちらだった。

酢を使わない!乳酸菌発酵だけのらっきょう漬け

小泉武夫マガジンより
なんと伝統的な塩漬け→塩抜き→本漬けのプロセスを踏まずにいきなり本漬けしてしまうというシロモノだ。
もう伝統を軽んじている時点で大した期待はしていなかったが、出来上がったらっきょう漬けはとんでもない旨さだった!
しかも面倒な塩抜きも不要だし本漬け用のらっきょう酢を用意する必要も無いのだ。

だったら何故に昔の人はより旨くて簡単なコッチの製法にしなかったのか?
恐らく昔は水道水もないしガラスの衛生的な容器も無かったからだろう。
伝統的な製法での塩漬けならば雑菌の発生を抑止できるが、最初から砂糖水に漬ける本製法では出だしに雑菌が繁殖するリスクが著しく高い。
しかし現代ならば本製法を選ばない理由は全くない。

乳酸らっきょう漬けの作り方

あくまでコレは前述のWebサイトの2番煎じであることをお断りしておく。
ただし🐸が糠漬けの研究で培ったとっておきのノウハウを付け加えている。
恐らく誰も言及していないが、出だしの雑菌の増殖リスクを完全に封じ込める完璧な方法だ。

材料

  • らっきょう:1kg
  • 水:1リットル
  • 砂糖(もしくは三温糖):200g
  • 塩:50g
  • 鷹の爪:少々(お好みで)
  • 植物性乳酸菌飲料(後述):少々
4つ目までは本家の通りであるが、5つ目の鷹の爪は母のらっきょう漬けに入っていたから、6つ目が🐸オリジナルだ。
本家では乳酸菌の獲得の為に土付きらっきょうを推奨しているが、当製法では剥き済みでも良いし、菌の増殖を抑える添加物が入ってない限り水漬けでも成立する。

作り方

土付きらっきょう
時季が来れば量販店に土付きらっきょうが並ぶ。
旬のものは新鮮で安価なので食わない手はない。
出だしの頃は小ぶりで形は揃っているが、終わり頃には大きく太っているが大きさにバラツキがある。
中頃の適度に大きい形の揃ったものがお勧めだ。
流石に気の利いたもので大体1kgの袋入りなので後々計量しやすい。
今年は5kgの土付きらっきょうを水洗いしながら一人で剥いた。
辛いのは最初の2kgくらいだ。
毎年もうこのまま終わらないのではないかと不安になるが、人間不思議なものでいつの間にか自分がらっきょう剥きマシンと化し全く辛くなくなる。(笑)
皮を完璧に剥こうとすればもっと時間が掛かるのだろうが、🐸は適当なので大体1kgの土付きらっきょうが900g弱へ目減りする程度である。
らっきょう剥き画像
砂糖、塩の計量中
砂糖、塩の計量中。
特に砂糖のビジュアル的な量にビビるかも知れない。(笑)
ご安心あれ、発酵によって乳酸に分解されるので最終的にはらっきょう甘酢程度の味に収まる。
容器に先に砂糖、塩を入れて用量の半分の水を注いでよくかき混ぜてかららっきょうを投入し残りの水を注ぐ。
じゃ〜ん‼️
完成間近のらっきょう漬けの元。
2リットル容器で丁度良く収まる。
今年は上白糖を使ったので溶液が澄んでいるが、三温糖を使えばほんのりブラウンになってそれはそれで高級感がある。

容器はAmazonで買ったセラーメイトの日本製ガラス容器。
錆びにくいステンレス金具は簡単に分解できて洗浄も楽で常に清潔に保てる。
しかも清潔で密閉力のあるシリコンパッキンには耳が付いていて引っ張ると中のガスを抜くことも出来る芸の細かさ。
もう絶対にコレしかない。
出来上がったらっきょう漬け
植物性乳酸菌の入った製品
ココからが🐸オリジナルの製法である。
伝統的な製法に於いても、参考にさせて頂いた新製法に於いても、発酵にはらっきょう由来の植物性乳酸菌を使う。
自然界の野菜には乳酸菌が付いているという前提なのだろうが、目に見えないだけに心許ない。

糠漬けで散々失敗した経験から種菌を入れることを思いついた。
ポイントは必ず「植物性」乳酸菌の入った製品を選ぶこと。
今回は画像の3種の製品(後述)をそれぞれ小さじ1杯投入した。

なお、お好みの鷹の爪は十分に発酵が済んでから投入する。
根拠はないけど、カプサイシンの刺激性が発酵に影響しないよう配慮した。
出来上がったらっきょう漬け
完成したらっきょう漬け軍団
らっきょう漬け(58日目)
完成したらっきょう漬け軍団(58日後)

植物性乳酸菌について

今回種菌として使用したのは以下の3種類だ。
実は以前に単品毎に滅菌した糠床に種菌を植えて糠漬けが成立する(すなわち植物性乳酸菌が生きて存在する)事は確認済みだ。
乳酸菌は異種同士も共生できるらしいので、これら3種混合の糠床があれば、それを種菌として使うことも出来る。
なお、当該製品を種菌として使用することはメーカー想定外なので、何があっても自己責任である事は御承知おき願いたい。(笑)
また飲料等としてメーカーが謳う機能性も一切期待出来ないのは言うまでも無い。

【日本ルナ株式会社】生きて腸まで届く乳酸菌・グリーンスムージー

ザワークラウトから分離した植物性乳酸菌。
発酵途中のガス発生が凄く、糠床がババロアの様に膨らむほど。
コイツが入っていると発酵が始まったことを確認し易いので凄く便利。
別途執筆中のザワークラウトを作る時は必須で何故か本場ドイツの味になる。(笑)

Lactobacillus plantarum HSK201株は、ザワークラウト(キャベツの漬物)から分離した、安心・安全な植物性乳酸菌です。
日本ルナとグループ会社である日本ハム株式会社 中央研究所がアレルギーの研究を行う中で2000株以上の乳酸菌の中から選抜した植物性乳酸菌です。
酸に強く、胃液に対しても強い耐性を持ち、生きて腸まで届き働くことがわかっています。

日本ルナの公式HPより
飲料としては爽やかフルーツ風味で味がくどくないのでグビグビ飲める。
種菌を拝借した後は美味しく頂きました。
グリーンスムージー

【カゴメ株式会社】植物性乳酸菌ラブレ

🐸の糠漬け研究の際に最初に着目した製品がコレ。
非常に強靭な生命力を持っているらしく、きっと発酵食品内でも活躍してくれるに違いない。(笑)
味と効能によってバリエーションがあるが、恐らくどれだって大丈夫だと思う。

ラブレ菌の正式な名前は、Levilactobacillus brevis KB290
ラブレ菌は、(財)ルイ・パストゥール医学研究センターの故岸田綱太郎医学博士が、京都の伝統的な漬物である「すぐき」から1993年に分離した乳酸菌です。

みんなとカゴメで作るコミュニティHPより
飲料としては所謂ヤクルト味でとても美味しい。
種菌を拝借した後は美味しく頂きました。
ラブレ

【マルサンアイ株式会社】植物由来の乳酸菌・豆乳グルト

コレ言っちゃっていいのかなぁ...
以前コイツを種菌にしてヨーグルトメーカーに豆乳を入れてコピーを作った事がある。(笑)
しっかり同じ味のヨーグルトが出来たのでその時点で菌が生きている事は知っていた。
発酵が穏やかで泡があまり出ない。

長野県木曽地方に伝わる伝統発酵食品である『すんき漬け』から東京農業大学との共同研究により発見した乳酸菌がTUA4408Lです。TUA4408Lが産出する多糖体が、豆乳グルトの独特なとろみを醸し出します。

マルサンアイ公式HPより
乳性ヨーグルトに比べると凄く酸味が抑え目で、豆乳のクセは殆ど感じない。
種菌を拝借した後は美味しく頂きました。
豆乳グルト

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